令和4年
木造地蔵菩薩坐像の修復について
写真をタップすると、修復前のお姿と合わせてご覧いただけます。
令和4年、浄智寺の木造地蔵菩薩坐像が奈良の美術院での修復を受けました。
関東大震災(大正12年)の被害でできたお顔の中央の亀裂が、震災直後の修復から年月を経て露わになっておりましたが、また綺麗になおしていただきました。
お身体、台座など全体的にも破損箇所が修復され、一層美しいお姿で鎌倉へお戻りになっています。
木造地蔵菩薩坐像
(重要文化財 / 木造・彩色 / 像の高さ66.6cm)
元は、門外の地蔵堂の本尊として祀られていました。右手に錫杖、左手に宝珠を持ち、安坐する像です。
その座り方は少々珍しく、結跏趺坐 -けっかふざ-という坐禅の時の座り方をして、両足を着衣で隠しています。
(鎌倉に伝わる像の多くは、右足を左脛前に出す姿や、着衣の裾を台座に長く垂らした姿です。)
京都の六波羅蜜寺に祀られている、鎌倉時代の著名な仏師・運慶の造った地蔵菩薩坐像も同じく結跏趺坐をして両足を衣で隠す姿をしています。浄智寺の地蔵菩薩坐像も、運慶の影響を受けた作であると考えられるかもしれません。
浄智寺の木造地蔵菩薩坐像は鎌倉国宝館にて拝観いただけます。ぜひ足をお運びください。